八ヶ岳総合博物館内に併設されている八ヶ嶽岳麓文芸館のご紹介です。
平成12年10月に八ヶ嶽岳麓文芸館を開館しました。昔に学び、文芸を尊び、今につながる館として、この郷土(岳麓)にゆかりのある今昔の歌人、俳人、文人たちの文化資料を展示・紹介しています。
午前9時から午後4時30分まで
八ヶ岳総合博物館入館料(310円)でご覧いただけます
(注意)小学生未満は無料です。
諏訪6市町村に在住または在学する小中学生は無料です。
入館時に図書館利用カードまたは生徒手帳を受付窓口で提示してください。
茅野市在住または在学の高校生は無料です。入館時に生徒手帳を提示してください。
その他の減免、または優待割引などについては、当館にお問い合わせください。
故北澤敏郎先生(前八ヶ岳総合博物館専門委員(文芸))
大正4年(赤彦40歳)の暑中、高木の家にて竹内泰比呂氏の為に唐紙に歌を書く。歌は新刊の歌集『切火』の中から芒の歌と椿の歌を、10枚の全紙に書かれた。赤彦は「大分大きいな、こんな大きい字は書初めの書終りかも知れないよ。」と言われたという。うち5枚は竹内氏に、1枚は久保田健次氏に。
昭和8年7月、竹内氏の5枚は、今井平左衛門氏に渡り、同夫人野菊さんが所蔵する。屏風は1枚ずつに5面、残る1面は白地である。
屏風の価値については、日本中にこれ程の大物は無い。字も赤彦の最も油の乗り切った時ですばらしい。
野菊さんは、諏訪高女に入学してアララギに入会し赤彦・森山汀川に師事する。『少林集』『行雲』の歌集がある。また茶道華道の師匠、後に郷土史の研究もする。
今回御子息の久榮氏が茅野市に寄贈されたものである。
船を出でし心現(うつつ)なし真青なる芒の中に入りにけるかも
いとどしく青み静もる芒の中一人ぽつつり行きとどまらず
青々し芒の中に一匹の牛を追ひ越しはろかなる道
島すすきい行き寂しむ身ひとりのうしろに大き海光り見ゆ
芒の島あが乗りて来し一つ船けぶりを吐きて去るにかあるらし
島木赤彦
(注意)この屏風は不定期に展示されます。