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本日、6月定例会の開会に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
里山の新緑が映える5月25日に宮川地区、下馬沢川流域の高部砂防堰堤の完成式典を開催いたしました。
令和3年9月の高部区における土石流災害から3年9か月の月日を経て、国・県のご協力により下流域の集落を守る砂防堰堤が完成いたしました。そこに暮らす市民の方々とともに安堵感を分かち合うことができ、大きな喜びを感じているところです。当日は、災害伝承碑の除幕を行うなどして、防災意識の高揚を図る機会とすることができました。
引き続き、上流部の治山事業が予定されておりますので、地域住民の生命、身体、財産を守るため、国・県との連携を密にしながら、災害に強いまちづくりを進めたいと考えています。
さて、6月に入り、令和7年度も3か月目に突入しました。「茅野市を変える。茅野市は変わる。茅野市が変わるのは今しかない。」という使命感を改めて感じています。
「茅野市を変える。」これは、茅野市の行財政への仕組を大きく構造改革していくことへの強い意志表明です。
「茅野市は変わる。」これは、この取組の先に道が拓けることへの、希望へのメッセージです。
「茅野市が変わるのは今しかない。」これは、この構造改革を市民の方々とともに進めるための呼びかけです。
こうした覚悟のもと、行財政改革の取組を進めているところです。
議会におかれましても、今、議会改革に取り組まれています。
議会改革と市の行財政改革の両輪で持続可能な茅野市を創っていかなくてはならないという思いを強くしているところです。
さて、本定例会では、行財政改革の主要な取組のひとつとして、議案第47号で、茅野市地区コミュニティセンター条例等の一部を改正する条例案を提案させていただいているところです。
当初は昨年12月定例会、続いて今年の3月定例会での提案を予定していましたが、市民の方々との対話をさらに深める必要があると判断したことから、これまで提案を見送らせていただいております。
そこには、茅野市が将来においても元気なまちであるために、市民の方々との対話を通じて、ご理解とご納得をいただきながら、全体最適な形に変えていきたいという思いがありました。
対話の過程は、3歩進んで2歩下がるといったやり取りもありましたが、関係者の方々との信頼関係を大切にしながら、丁寧に対話を重ね、ここでご理解とご納得が、概ねではありますが得られたものと判断し、本定例会に上程させていただくものです。
続いて、広域的視点に立って取り組んでいる事業について、二つご報告いたします。
一つ目でありますが、現在、新たに八ヶ岳連峰を中心に麓の市町村が広域的に連携して観光振興などに取り組む「環八ヶ岳構想」の立ち上げに着手をしています。
これまでは地域ごとの会議体などを中心とした、いわば「点」の交流に留まっていましたが、環八ヶ岳構想では、その点と点を線で結んで八ヶ岳を中心に周囲をぐるりとつなげ、大きな交流の輪でくくり面とするイメージを持っています。4月に佐久市、佐久穂町、小海町、立科町、5月に富士見町、原村の各首長との協議を経て、現在も関連する市町村への説明を行っている段階です。昨日、全国市長会においても意見交換をしてきました。夏頃には、仮称ではありますが、「環八ヶ岳連絡協議会」の設立を目指しているところです。
二つ目でありますが、富士見町、原村と連携する八ヶ岳西麓地域においても、今、新たなプロジェクトが動いています。今後、環八ヶ岳構想においても重要な位置付けとなってくる八ヶ岳農業大学校が、「美しい八ヶ岳を背に、花咲く風景を届けたい」という想いから広大な農地を花畑にする取組を進めています。この場所は、小淵沢や諏訪南インター方面から蓼科へ続く交通の中心地にあり、大きな人の流れを作り出す可能性を持っています。
八ヶ岳農業大学校が地域との連携を深めながら、豊かな自然環境と調和した八ヶ岳西麓ならではの交流拠点へと成長していくことを期待しています。
私たちは、行財政改革を進めるとともに将来への投資として、第6次総合計画の「たくましく やさしい しなやかな 交流拠点CHINO」に向けたチャレンジをひとつずつ形にしていくことで、茅野市の存在感を高めていきたいと考えています。
さて、本日、ご提案申し上げます案件は、全部で16件であります。その内訳は、
専決処分案件 2件、
事件決議案件 3件、
人事案件 1件、
条例案件 3件、
予算案件 1件、
報告案件 6件 であります。
まず、専決処分案件ですが、
議案第41号は、茅野市税条例の一部を改正する条例の専決処分の承認を求めることについてを、
議案第42号は、茅野市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の専決処分の承認を求めることについてを、それぞれお願いするものです。
次に、事件決議案件ですが、
議案第43号は、財産の無償譲渡について、
議案第44号及び議案第45号は、市道路線の認定についてそれぞれお願いするものです。
次に、人事案件ですが、
議案第46号は、茅野市固定資産評価審査委員会委員選任の同意を求めることについてお願いするものです。
次に、条例案件ですが、
議案第47号は、茅野市地区コミュニティセンター条例等の一部を改正する条例についてお願いするものです。この条例の経過につきましては、先ほど述べさせていただいたとおりです。
議案第48号は、茅野市水道事業給水条例の一部を改正する条例について、議案第49号は、茅野市下水道条例の一部を改正する条例について、それぞれお願いするものです。
次に、予算案件ですが、
議案第50号は、令和7年度茅野市一般会計補正予算第1号についてです。
歳出の主なものといたしましては、
物価高騰対応重点支援給付金支給事業費では、令和6年度に実施された定額減税に関連して、一定の対象者に対して不足額を給付するために必要な経費の補正増、
茅野駅西口エリア活性化推進事業費では、駅前商業ビル「ベルビア」1階の空き床に、地域内外の人が必然的に集積する施設を新たに設計、整備するために必要な経費の補正増、
起業・創業等支援事業費では、女性の起業・創業支援とベルビアの再生とを絡めて情報発信していくために必要な経費の補正増、
その他、農業への人材の呼び込みと定着を図ることを目的とした、新規就農者への農業担い手育成事業補助金の補正増や、自主防災組織がテントや発電機といった備品を購入するための経費を支援する自主防災組織防災活動強化事業補助金の補正増など、全部で16の事業について補正を行い、歳入歳出予算のそれぞれに6億4,643万2千円を追加して、歳入歳出予算の総額を、307億1,643万2千円とするものです。
次に、報告案件ですが、
報告第2号は、専決処分の報告について、
報告第3号は、令和6年度茅野市一般会計予算繰越明許費繰越計算書について、
報告第4号及び報告第5号は、令和6年度茅野市水道事業会計予算及び令和6年度茅野市下水道事業会計予算の繰越について、それぞれご報告をさせていただくものです。
報告第6号及び報告第7号では、茅野市総合サービス株式会社、株式会社地域文化創造の経営状況につきまして、それぞれご報告をさせていただくものです。
以上、議案の概要を申し上げました。詳細につきましては、この後、部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議をお願いいたします。
最後に、市民の皆様、議員各位のご理解とご支援をお願い申し上げまして、開会の挨拶とさせていただきます。
茅野市長 今井 敦