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本日、令和7年第1回臨時会の開会に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
節分が過ぎ、暦の上では冬から春への移り変わりを迎えましたが、節分の後に強い寒波が到来しているところであります。
この冬も茅野市特有の食文化を守る試みが続けられてきました。
例えば、「凍み」を利用した食文化が挙げられます。湖東地区では、笹原観光まちづくり協議会が、地域内外に参加者を募りながら、朝晩の冷え込みを利用した天然乾燥の凍み大根づくりに取り組む様子が最近話題になりました。
また、ちの観光まちづくり推進機構(ちのDMO)は「凍みマップ」を作成し、寒天や凍み豆腐、氷餅、凍み大根などの生産現場、直売所、飲食店をマップにまとめ、冬季の観光客向けのPRに取り組んでいます。
寒天づくりの現場においては、原料となるテングサを生産する西伊豆町の漁業関係者が市内の寒天工場に見学に訪れ、海と山の生産者同士の交流を始めました。温暖化により、海ではテングサの生産量が減少し、山では冷え込みが緩み寒天づくりが徐々に難しくなるなかで、両者が連携し共存の道を模索し始めています。
担い手不足や温暖化が進行していくなかで、茅野市ならではの古くからの食文化が、こうした新しいチャレンジを組み入れながら、伝承されていくことに頼もしさを感じているところであります。
温暖化が進む一方で、市では気候変動対策として、エネルギーの地産地消の取組を進めています。ここで実現間近となっている取組をご紹介いたします。
昨年4月に開校した永明小学校、永明中学校の新校舎の屋根に太陽光発電設備を設置することができ、近々発電がスタートする運びとなりました。
この設備の運用は電力販売契約、いわゆるPPA方式と呼ばれていますが、校舎の屋根を地元の事業者に貸し、事業者の負担で設置した発電設備で生み出された電気を市が購入し、利用する仕組みであり、茅野市にとって初のチャレンジとなります。
晴天率の高い当市の特徴を存分に生かした屋根置き太陽光パネルの活用により、平時は学校で使う電力を通常よりも安い電気料金で賄います。また、災害発生時には蓄電池に蓄えた電力を基本避難所となる永明社会体育館の照明や避難者の携帯電話の充電に利用することを想定しています。
地元の事業者とのタイアップによる再生可能エネルギーの地産地消の取組、また、気候変動対策面とともに防災面を合わせた取組は、当市における新たなまちづくりのモデルケースとして、市内外にPRしていきたいと考えております。
さて、この臨時会に当たりましては、この永明小学校、永明中学校のアリーナ棟の建設における建築主体工事の請負契約にかかる議案などについて、ご審議をお願いするために開催させていただきました。
アリーナ棟の建設につきましては、これまで2回の入札不調がありました。資材価格や労務単価の高騰がその原因と考えておりますが、この度、設計変更をした上で改めて3回目の入札を行い、仮契約の締結に至っている状況です。
臨時会の開催につきましては、永明小学校、永明中学校の建設事業の完成を目指すためですので、議員の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
さて、本日、ご提案申し上げます案件は、全部で3件であります。その内訳は、
専決処分案件 1件
事件決議案件 1件、
予算案件 1件、であります。
まず、専決処分案件ですが、
議案第1号は、令和6年度茅野市一般会計補正予算(7号)の専決処分の承認を求めることについて、お願いするものであります。
次に、事件決議案件ですが、
議案第2号は、令和6年度永明小中学校アリーナ建設建築主体工事の請負契約について、お願いするものであります。
次に、予算案件ですが、
議案第3号は、令和6年度茅野市一般会計補正予算(第8号)についてであります。
歳出の主なものといたしましては、
ふるさと茅野市応援寄附金事業費では、令和6年12月補正予算で寄附金に係る経費を増額補正したものの、12月に想定以上の寄附金があり、返礼品等の予算額が不足する見込みとなったことに伴う関係経費の補正増、
スポーツ施設管理費では、運動公園第一駐車場の舗装修繕に係る経費の補正増とともに工期確保のため事業費の繰越明許を行い、歳入歳出予算のそれぞれに
3,800万7千円を追加して、歳入歳出予算の総額を、312億7,424万3千円とするものであります。
以上、議案の概要を申し上げました。詳細につきましては、この後、部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げまして、開会の挨拶とさせていただきます。
茅野市長 今井 敦