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本日、6月定例会の開会に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類に移行して1年が経過し、社会経済活動はコロナ前の状態に戻りつつあります。
去る4月21日には、TOYOTA GAZOO Racing Rally challenge in 八ヶ岳茅野が運動公園をメイン会場にして盛大に開催され、県内外から約2万2千人の方々にお越しいただきました。5月の大型連休には、市内各地において大勢の観光客で賑わいが見られ、5月12日には、こどもまつりが茅野市民館とベルビアで各種市民団体の協力のもと開催され、子ども連れの親子を中心に工作や体験ブースを楽しむ姿があちらこちらで見受けられました。
こうしたイベントなどで、さまざまな世代の楽しそうな笑顔に接すると、コロナ期間に自粛せざるを得なかった人と人との交流やふれあいがようやくこのまちに戻ってきた安堵感を覚えたところであります。
こうした社会経済活動が回復してきた一方で、コロナ前には見られなかったような変化も見受けらるようになりました。例えば、5月26日には、茅野市消防団による諏訪地区消防ポンプ操法大会出場チーム選考会及び機関講習会が開催されました。そこでは、茅野市消防団総合計画に基づき、部の再編により体制が変わった分団の参加が見受けられ、従来のやり方からこれからの時代に合わせた行事のあり方へと改革に取り組む様子が見られました。
私は、挑戦なきものに成長・成功なしと常々言っておりますが、そこで活躍する若い消防団員の姿を見ていて、今後も進む少子高齢化社会を見越し、従来の形では継続困難になりかねない問題に切り込み、持続可能な未来を目指して、勇気をもって新しい体制や、やり方に挑戦する様子に頼もしさを感じたところであります。
さて、社会はコロナ前の状態に戻りつつありますが、依然として世界規模で社会経済の情勢は大きく変化しており、今後も先行きが不透明な時代が続くと言われています。
こうした時代に対応した新しいまちづくりの指針として、今議会に議案第49号で、市民の皆様と策定しました第6次茅野市総合計画基本構想をご提案させていただいているところです。コロナ禍は、市民の暮らしや地域経済に大きなダメージを与えると同時に、これまで当たり前のように継続してきたまちづくりの仕組みが、従来のままでは立ち行かなくなってきてしまった、そうした現実を我々に突き付けました。
第6次茅野市総合計画では、こうした厳しい現実を直視し、時代の変化に合わせて、まちづくりの仕組みを変えていくことが大きなテーマの一つになると考えています。まちづくりの仕組みを変えるというと、これまでは行財政改革の目線だけが耳目を集めてきたのではないかと感じています。
しかしながら、第6次茅野市総合計画の基本構想においては、茅野市がこれまでのまちづくりで大切にしてきたものを「強み」として再確認し、課題解決の手段として活用するとともに、必要に応じて「強み」の見直しや再構築などを行い、新しい時代に対応した形で継承しながら、未来志向のまちづくりを進めることを掲げています。
それは、これまで茅野市がまちづくりで大切にしてきたものを確認し、守り、育て、次の世代につなげることに他なりません。
従来のまちづくりの仕組みを変えることは、茅野市の新たな「強み」に手を入れることとなる一方で、それ相応の痛みを受けとめる覚悟も必要となります。しかし、それは、この困難な時代にまちづくりを任された我々が背負うべき大きな使命の一つであるといっても過言ではありません。
時代の転換点である今、困難な現実から目を背け、従来どおりのまちづくりの手法に固執し過ぎてしまうと、このまちが疲弊し、やがては手遅れになってしまうことになりかねません。余力のある今のうちに、5年先、10年先の未来を見据えた議論を重ね、最適な方向を見出していきたいと考えています。
その背後には、今、目の前にいる市民の暮らしを守るため、そして、未来の市民の暮らしを守るために、困難に立ち向かい、それを克服する気概を持って、不断のまちづくりを進めていくという大きな使命があることを忘れてはいけないと私自身、強く肝に銘じているところです。
第6次茅野市総合計画に掲げた新しいまちづくりの普遍的なテーマは、茅野市を「幸せを実現できるまち」にすることです。これがこの計画の目的になります。その原動力が多様な「交流」であり、その「交流」が、これまで茅野市がまちづくりで培ってきた「たくましさ」、「やさしさ」、「しなやかさ」にさらに磨きをかけ、「幸せを実現できるまち」を創造していくといった考え方から、第6次茅野市総合計画の目指すまちの将来像を「たくましく やさしい しなやかな 交流拠点CHINO」としています。これが、この計画の5年間の目標になります。
この目的と目標は、これから第6次茅野市総合計画に基づき進めていく、茅野市のまちづくりに関わるすべての取組の統一的な旗印になるものです。これからの時代、こうした目的や目標を、市民と行政がしっかりと共有し、新たなまちづくりに挑戦していくことが大切となっていきます。今後、この旗印を、まちづくりに関わるすべての人が常に、しっかりと見えるように大きく掲げ、市民と行政が一体となって、力強くまちづくりを進めていきたいと考えています。
さて、本日、ご提案申し上げます案件は、全部で27件であります。その内訳は、
専決処分案件 3件、
事件決議案件 9件、
人事案件 2件、
条例案件 4件、
予算案件 2件、
報告案件 7件 であります。
まず、専決処分案件ですが、
議案第38号は、茅野市税条例の一部を改正する条例の専決処分の承認を、
議案第39号は、茅野市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の専決処分の承認を、それぞれお願いするものであります。
議案第40号は、令和6年度茅野市一般会計補正予算(第1号)の専決処分の承認をお願いするものであります。物価高騰対応重点支援給付金の支給のために必要な事業費を追加したものであります。
次に、事件決議案件ですが、
議案第41号は、令和6年度茅野市運動公園総合体育館メイン体育館天井改修工事の請負契約についてお願いするものであります。
議案第42号から議案第47号は、市道路線の認定及び廃止についてお願いするものであります。
議案第48号は、第6次茅野市総合計画基本構想の策定に伴い、第5次茅野市総合計画基本構想を廃止するものであります。
議案第49号は、第6次茅野市総合計画基本構想の策定についてであります。第6次茅野市総合計画に込めた想いにつきましては、先ほど述べさせていただいたとおりであります。
次に、人事案件ですが、
議案第50号は、茅野市監査委員選任の同意を求めることについてであります。
議案第51号は、茅野市農業委員会委員任命の同意を求めることについてであります。
次に、条例案件ですが、
議案第52号から議案第55号は、茅野市行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例ほか3つの条例改正をお願いするものであります。
次に、予算案件ですが、
議案第56号は、令和6年度茅野市一般会計補正予算第2号についてであります。
歳出の主なものといたしましては、
物価高騰対応重点支援給付金支給事業費では、物価高騰の影響を強く受ける低所得世帯の負担軽減を図ることを目的に、令和6年度、新たに住民税が非課税となる世帯などに給付金を支給するために必要な経費の補正増、
社会福祉総務費一般事業費では、「のらざあ」運行エリア外に居住し、観光路線バスを生活路線バスとして利用している高齢者・障害者などがバスを利用する際にかかる負担軽減を図ることを目的に、バスの運賃を軽減するために必要な経費の補正増、
地域医療介護総合確保基金事業費では、新たに認知症対応型共同生活介護事業所を開設する事業者に、開設にかかる補助金を交付するために必要な経費の補正増、
その他、農業への人材の呼び込みと定着を図ることを目的とした、新規就農者への農業担い手育成事業補助金の補正増や、自主防災組織がテントや発電機といった備品を購入するための経費を支援する自主防災組織防災活動強化事業補助金の補正増など、全部で17の事業について補正を行い、歳入歳出予算のそれぞれに12億2,275万7千円を追加して、歳入歳出予算の総額を、316億2,681万円とするものであります。
議案第57号は、令和6年度茅野市国民健康保険特別会計補正予算第1号について、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に伴い、必要な経費の補正増をお願いするものであります。
次に、報告案件ですが、
報告第1号は、専決処分の報告について、
報告第2号は、令和5年度茅野市一般会計予算繰越明許費繰越計算書について、
報告第3号は、令和5年度茅野市一般会計予算事故繰越し繰越計算書について、
報告第4号及び報告第5号は、令和5年度茅野市水道事業会計予算及び令和5年度茅野市下水道事業会計予算の繰越について、それぞれご報告をさせていただくものであります。
報告第6号及び報告第7号では、茅野市総合サービス株式会社、株式会社地域文化創造の経営状況につきまして、それぞれご報告をさせていただくものであります。
以上、議案の概要を申し上げました。詳細につきましては、この後、部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議をお願いいたします。
最後に、市民の皆様、議員各位のご理解とご支援をお願い申し上げまして、開会の挨拶とさせていただきます。
茅野市長 今井 敦