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本日、12月定例会の開会に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
時の経つのは早いもので、今年も残りひと月、明後日からは師走を迎えます。
過ぎ去る年のけじめをつけ、来るべき新しい年を迎えるため、何かと気ぜわしい毎日が続いているところであります。
9月5日、宮川の下馬沢川で発生した土石流災害から、3か月が経過しようとしております。
発災直後、がれきや土砂で覆われた下馬沢川や市道は、懸命な復旧作業により、土砂の撤去がおおむね完了し、発災前の姿を取り戻しつつあります。
これからは、長野県による砂防ダムの新設といった恒久的な災害対策とともに、全壊した建物の撤去といった被災された方の生活再建に向けた支援に取り組んでまいりたいと考えております。
今回の災害では、今年の4月に本格稼働した防災情報システムが効力を発揮したと感じております。
これまでは、職員が現場や市民などからの電話で得た情報を紙でやり取りしていたことで、伝達に時間がかかったり、情報共有に人手を取られたりしていました。
しかし、防災情報システムに入力することで、瞬時に情報共有が行われるとともに、対応状況も確認することができ、その分、職員のマンパワーを現場対応に向けることができました。
また、このシステムが長野県と連動していることから、県との連携もスムーズに行われました。
これまでは、紙といったアナログとマンパワーによって行われていた災害対応が、デジタル化されたことで、想定以上の効果を発揮したと考えております。
また、11月18日には、長野県と、近年、大規模な災害に見舞われた長野市や岡谷市、茅野市をはじめとする11市町村と長野地方気象台をメンバーとした、「逃げ遅れゼロの実現に向けた研究会」が開催されました。
避難情報の発令や住民の適切な避難行動に関する課題を参加自治体の中で共有するとともに、アドバイザーからの助言をいただく中で、対応策について意見交換を行っていきます。
この研究会での協議とともに、市としても独自に今回の災害対応を振り返り、課題などを整理した上で、更なる防災体制の充実につなげてまいりたいと考えております。
さて、八ヶ岳西麓一帯において、現在、野立て型太陽光発電設備の設置に関する条例改正の動きが進んでいます。
野立て型太陽光発電設備については、自然環境に与える影響による自然災害や景観等の阻害が懸念されるといった理由から、地域の理解がなかなか得られない事案が見受けられ、市内外の新聞報道等でもたびたび取り上げられております。
太陽光発電設備の設置を適正に抑制するための茅野市生活環境保全条例改正に向けた1回目のパブリックコメントにおいても、地域住民の高い関心が寄せられ、たくさんのご意見をいただいております。
八ヶ岳西麓の自然環境は、私たち地域の人間の暮らしを豊かにしてくれるだけでなく、森は二酸化炭素を吸収して酸素や水を育み、生態系を維持してくれています。
農地は、この地域の生業として農産物を供給し、首都圏をはじめ多くの旅行者や別荘所有者等にとって、身近な癒しの場として唯一無二の貴重な付加価値をもたらしてくれています。
魅力的な八ヶ岳西麓を守り続けることは、都市と地方とが地域循環しながら末永く共生していくために私たちが最も大切にすべきものであると考えております。
一方で、先のCOP26において、石炭火力削減が合意されるなど脱炭素化に向けた取組のさらなる強化が地球規模で求められる中、この地域においても脱炭素化の取組、例えば省エネやエネルギーの効率的な利用、また、適正な再エネの推進などを強化していく責任を背負っております。
野立て太陽光発電設備の広がりを契機に、今、改めて八ヶ岳西麓一帯の自然環境や景観について、私たちが将来的なビジョンを広域的に議論していく必要性を感じております。
このことから、八ヶ岳西麓地域を構成する富士見町、原村とともに、環境を軸にして観光、農業、脱炭素化の取組といった分野において将来的なビジョンを描く場を改めて設けて進めて行くことといたしましたので、この場をお借りしてご報告いたします。
さて、本日、ご提案申し上げます案件は、全部で16件であります。
その内訳は、
専決処分案件 2件、
事件決議案件 6件、
人事案件 1件、
条例案件 3件、
予算案件 2件、
諮問案件 1件、
報告案件 1件 であります。
まず、専決処分案件ですが、議案第55号は、令和3年度茅野市一般会計補正予算第10号の専決処分の承認をお願いするものであります。
新型コロナウイルス感染症に係るくらし・経済対策としての事業者支援及び令和3年9月に発生した土石流災害に係る災害復旧事業を早期に実施するために必要な事業費を追加したものであります。
議案第56号は、令和3年度茅野市一般会計補正予算第11号の専決処分の承認をお願いするものであります。
令和3年9月に発生した土石流災害に係る災害復旧事業を早期に実施するために必要な事業費を追加したものであります。
次に、事件決議案件ですが、議案第57号、58号は、市道路線の認定についてお願いするものであります。
議案第59号から62号は、茅野市温泉施設、茅野市コワーキングスペース、茅野市白樺湖温泉総合施設及び茅野市高齢者福祉センター、それぞれについて、公の施設の指定管理者の指定をお願いするものであります。
次に、人事案件ですが、議案第63号は、茅野市農業委員会委員任命の同意を求めることについてお願いするものであります。
次に、条例案件ですが、
議案第64号は、茅野市行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用等に関する条例及び茅野市個人情報保護条例の一部を改正する条例について、
議案第65号は、茅野市情報プラザ条例を廃止する条例について、
議案第67号は、茅野市国民健康保険条例の一部を改正する条例について、それぞれお願いするものであります。
次に、予算案件ですが、議案第68号は、令和3年度茅野市一般会計補正予算第12号についてであります。
歳出の主なものといたしましては、
地域公共交通事業費では、AIオンデマンドを取り入れた新しい地域公共交通を導入するための公共交通システム構築委託料の補正増、
温泉施設管理運営費及び観光温泉施設管理運営費では、新型コロナウイルス感染症の拡大により、業績が悪化している温泉施設の指定管理者を支援するための温泉施設管理運営持続化支援金の補正増、
保育所運営費では、保育士の業務負担軽減と効率化、保育の質の向上、保護者の利便性の向上を図るための保育業務支援システムの導入に係る経費の補正増、
住宅団地管理費では、グリーンヒルズビレッジの区画販売が好調であることに伴う住宅建設促進事業補助金の補正増、
その他に、来年行われる令和4年御柱祭の準備経費や人事異動に伴う人件費補正など、全部で43の事業について補正を行い、歳入歳出予算のそれぞれに2億3,134万円を追加して、歳入歳出予算の総額を、301億8,258万5千円とするとともに、繰越明許費1件、債務負担行為補正2件をお願いするものであります。
議案第69号は、令和3年度茅野市国民健康保険特別会計補正予算第1号について、県支出金等過年度精算による返還金の増額補正をお願いするものであります。
次に、諮問案件でありますが、諮問第2号は、下水道使用料の賦課及び徴収に関する審査請求に係る諮問についてお願いするものであります。
次に、報告案件でありますが、報告第12号は、損害賠償の専決処分のご報告をさせていただくものであります。
以上、議案の概要を申し上げました。詳細につきましては、この後、部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議をお願いいたします。
最後に、市民の皆様、議員各位のご理解とご支援をお願い申し上げまして、開会の挨拶とさせていただきます。
茅野市長 今井 敦