本文
本日、6月定例会の開会に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
6月に入り、木々の緑が日ごと色を深めていく季節を迎え、道行く人々の装いにも夏の気配が感じられるようになりました。
気象庁が発表した向こう3か月の予報によりますと、平均気温は、平年並みか高く、降水量も平年並みか多いとされています。
これから本格的な梅雨のシーズンを迎えます。
5月27日には、小江川に設置を進める排水ポンプの試運転を行い、正常な作動を確認いたしました。
このことによって、懸案であった小江川の雨水対策について、地域住民の皆さんに少しでも安全、安心をお届けできるのではないかと思いますが、自然災害の脅威に対して、気を緩めることはできません。
5月30日には、土砂災害訓練を緑区で実施いたしましたが、梅雨前線や台風等による大雨への警戒を怠ることなく、万全の体制を整えるとともに、安定した気候になることを願うところでございます。
さて、新型コロナウイルス感染症についてでありますが、5月に入り、諏訪地域の感染拡大は、一定の落ち着きを見せておりますが、まだ断続的に陽性者が確認されている状況にあります。
しかし、全国の状況、また、県内の状況を見ますと、変異株の拡大の影響により、第4波の収束は、いまだ見通すことができません。
東京都や大阪府など9都道府県を対象に発令されている緊急事態宣言は、6月20日まで延長されました。
長野県は、5月21日に、県の感染警戒レベルを全県で4以上とし、感染の拡大が進む地域での飲食店の時短営業の要請など、これまで以上の強い対策を講じているところであります。
そのような中で、新型コロナウイルスワクチン接種が全国でスタートしております。
茅野市でも、4月15日から、高齢者施設に入所される65歳以上の高齢者を対象としたワクチンの先行接種が始まりました。
その後、5月18日からは、85歳以上と在宅介護サービス利用者を対象としたワクチン接種が始まりました。
以降、対象者を順次拡大し、7月末までに、65歳以上の高齢者のワクチン接種を完了することを目標に、医師会等と連携し、予約をしていない人への呼びかけや、会場への移動手段のない市民を対象とした移送サービスの拡充など、必要な対応を取ってまいります。
なお、5月31日時点で、65歳以上の高齢者17,500人のうち、1回目の接種を終えた方は、3,231人で、接種率は、18.5%、2回目まで接種を終えた方が、580人、接種率は、3.3%となっております。
このうち、茅野市が先行接種の対象とした高齢者施設等の利用者につきましては、対象者850人のうち、1回目の接種を終えた方が767人で、接種率は90.2%となっており、ここまで高い接種率は、県内の市では、他にはない、かなり高い数値となっております。
また、既に予約が始まっている、高齢者施設等の利用者を除いた在宅でお過ごしの75歳以上の方の予約率は、76.1%となっており、市民の皆さんの関心の高さがうかがわれます。
また、ワクチン接種の推進と並行する形で、飲食店をはじめとする市内事業所の感染防止対策を支援するとともに、多くの方が安心して飲食店等を利用できますように、実効性の高い研修会の実施や感染対策の巡回点検を柱とする、「茅野あんしん認証EAT」制度の運用に向けた準備を進めております。
今後は、ワクチン接種の進捗状況を見据えながら、本格的な経済対策を打ち出してければと考えております。
5月24日、市民館を会場に、「茅野・未来都市構想セミナー」を開催させていただきました。
このセミナーは、4月16日に内閣府に提出いたした、当市のスーパーシティ構想の全貌を市民の皆さんに向けてご説明する初めての機会でありました。
会場には、約40人がご来場いただき、Webでライブ配信を視聴いただいた方が累計で470人ほどと、とても多くの方々にご参加いただきました。この場をお借りして、お礼申し上げます。
今回提出したスーパーシティ構想は、目指すまちの将来像を、「3つの“健康”で地域のアイデンティティを守り輝かせる茅野サスティナブルローカルシティ」とし、先端技術を活用して、「人の健康」、「社会インフラの健康」、「データの健康」の3つの健康により、都市機能の再構築を図るというものであります。
「先端技術を活用して、都市機能の再構築を図る」と聞くと、とても複雑なことをやろうとしているのではないか、と思われがちですが、そうではありません。
これまで茅野市が進めてきたまちづくりにおいて、大切なものを守るために、新たな技術を掛け合わせて、市民の皆さんが暮らしやすさを実感できるまちづくりを進めていこう、ということであります。
地方自治は、住民自治と団体自治の両輪で成り立っていますが、そこをデジタルの力で構造転換をしていこう、という取組でもあります。
多くの市民や関係者の皆さんと、この構想の検討を始める際、「身近な困りごとは何か」、これを考えることからスタートしました。
それは、「医療・介護」であり、「防災・見守り」であり、「移動手段」であり、「八ヶ岳をはじめとする茅野市の環境保全」であり、「市民の支え合い」などでありました。
こうしたものは、従来、地縁や血縁といった多くのマンパワー、いわゆる「ゆい」に支えられてきました。
これまで茅野市がパートナーシップのまちづくりで進めてきた福祉や環境、子育てといったものも、いわばこの「ゆい」によって支えられてきました。
しかし、人が減っていく、特に、事業活動や地域の活動を中心となって支える若い世代、いわゆる生産年齢人口が減っていくことにより、今まで当たり前にできていたことができなくなることは、明らかであります。
これまで、パートナーシップのまちづくりを中軸で支えてきていただいた団塊の世代の方々が高齢化していく中で、同じやり方、同じ仕組みでそれを続けていくには、圧倒的にマンパワーが不足しているわけであります。
そこで、物事の本質的な部分に「ひと」が関わることはそのままに、人出が足りなくなる部分を新しい技術で補完していく、そうすることで、これまで脈々と受け継がれてきた茅野市の自然であり、医療・介護体制であり、人と人との支え合いといったものを守っていきたい、これが、今回提案した内容であります。
こうしたことは、一朝一夕に成し遂げられるものではありません。
スーパーシティ構想の採択の可否は、7月以降にならないと分かりませんが、採択される、されないに関わらず、多くの市民の方々や関係者に「他人事(ひとごと)」ではなく、「自分事(じぶんごと)」として関わっていただく中で、様々な意見を聞きながら、一つひとつ丁寧に進めて、形にしていきたいと考えております。
さて、本日、ご提案申し上げます案件は、全部で16件であります。
その内訳は、
まず、専決処分案件ですが、議案第24号は、茅野市税条例及び茅野市税条例等の一部を改正する条例の一部を改正する条例の専決処分の承認をお願いするものであります。
議案第25号は、茅野市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の専決処分の承認をお願いするものであります。
議案第26号は、令和3年度茅野市一般会計補正予算第1号の専決処分の承認をお願いするものであります。
新型コロナウイルス感染症による影響の長期化を受け、低所得のひとり親世帯に対し、子育て世帯生活支援特別給付金を給付するために必要な事業費を追加したものでございます。
議案第27号は、令和3年度茅野市一般会計補正予算第2号の専決処分の承認をお願いするものであります。
新型コロナウイルス感染症に係るくらし・経済対策として、感染症拡大防止の追加対策を早急に実施するために必要な事業費を追加したものであります。
議案第28号は、令和3年度茅野市一般会計補正予算第3号の専決処分の承認をお願いするものであります。
新型コロナウイルス感染症に係るくらし・経済対策として、子育て支援及び事業者支援を早急に実施するために必要な事業費を追加したものであります。
議案第32号は、令和3年度茅野市一般会計補正予算第4号の専決処分の承認をお願いするものであります。
5月21日の大雨により被害が発生したことに伴い、復旧事業を早期に実施するために必要な事業費を追加したものであります。
次に、条例案件ですが、議案第29号は、茅野市固定資産評価審査委員会条例の一部を改正する条例について、議案第30号は、茅野市手数料徴収条例の一部を改正する条例について、議案第31号は、茅野市廃棄物処理及び清掃に関する条例及び茅野市清掃施設設置条例の一部を改正する条例について、それぞれお願いするものであります。
次に、予算案件ですが、議案第33号は、令和3年度茅野市一般会計補正予算第5号についてであります。
歳出の主なものといたしましては、
私立保育園等支援事業費では、「野あそび保育ささはら」の施設改修の追加工事に対して交付する、認定こども園施設整備費補助金の補正増、
各種予防接種事業費では、新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業費国庫補助金の追加交付に伴う、ワクチン接種体制確保に係る経費の補正増、
集落営農推進事業費では、「農事組合法人湯川」が行うコンバインの買い替えに対して交付する、農業用機械導入支援事業補助金の補正増、
その他に、区・自治会関係事業費、消防団活動支援事業費、自主防災組織活動支援事業費、市民館費の補正増により、歳入歳出予算のそれぞれに9,634万1千円を追加して、歳入歳出予算の総額を278億9,728万5千円とするとともに、地方債補正1件をお願いするものでございます。
次に、報告案件ですが、報告第2号は、損害賠償の専決処分のご報告をさせていただくものであります。
報告第3号は、令和2年度茅野市一般会計予算繰越明許費繰越計算書について、報告第4号は、令和2年度茅野市水道事業会計予算の繰越について、報告第5号は、令和2年度茅野市下水道事業会計予算の繰越について、それぞれご報告をさせていただくものであります。
報告第6号及び報告第7号では、茅野市総合サービス株式会社、株式会社地域文化創造の経営状況につきまして、それぞれご報告をさせていただくものであります。
以上、議案の概要を申し上げました。詳細につきましては、この後、部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議をお願いいたします。
最後に、市民の皆様、議員各位のご理解とご支援をお願い申し上げまして、開会の挨拶とさせていただきます。
茅野市長 今井 敦