令和2年茅野市議会第2回臨時会招集挨拶

　本日、令和2年第2回臨時会の開会に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

　日本付近に居座った梅雨前線が7月初めから各地で記録的な大雨をもたらしました。
「令和2年7月豪雨」と名付けられたこの大雨は、九州地方を中心に、各地で統計開始以降、最大の雨量を観測し、広い範囲で河川の氾濫や土砂災害が起こりました。
飯田市でも土砂崩落が起こり、73歳の男性が亡くなるなど、全国で80人以上の方がお亡くなりになり、4人が依然行方不明、今なお多くの方が避難所での生活を余儀なくされています。
改めて犠牲になられた方々に対し、謹んでご冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。

　さて、茅野市では、7月3日の降り始めから11日までの9日間で、白樺湖において293ミリの雨量を観測し、7月一カ月の平均の約1.5倍の降雨量を記録しました。
茅野市では、7月8日に災害警戒本部を立ち上げ、災害に備えるとともに、小江川には、都市建設部の職員を夜間待機させるなど、警戒に当たりました。
県南部や松本地域などに大雨特別警報が発出された8日には、上原の上川右岸の堤防に設置している仮設の排水ポンプを稼働させ、小江川の内水氾濫を防ぐために、小江川から上川に排水を行いました。
幸いにも茅野市内では、大きな被害はなかったわけでありますが、温暖化の影響を受け、年々豪雨災害のリスクは高まっております。
これまでの経験が通用しない災害に対する備えを市民とともに進めていかなければならないと、想いを新たにしたところでございます。

　新型コロナウイルス感染症につきましては、5月25日に全都道府県で緊急事態宣言が解除されてから、一旦は落ち着きを見せたかに思われましたが、7月に入ると東京都を中心に感染者が急増し、全国の感染者数は、約32,000人、死者数も1,000人を超えたところであります。

　長野県では、7月11日に東京都在住の30代男性の感染が確認されて以降、首都圏を往来した人を中心に、立て続けに感染者が確認されており、7月27日現在、92人の感染者が確認されています。
7月24日と26日に感染が確認された諏訪市の40代女性と40代男性は、感染経路が未だ分かっておらず、市民の皆さんには、3密を避けることや、マスクの着用、手洗い、うがいの徹底など、感染防止対策をお願いしているところでございます。

　茅野市では、先日の議会全員協議会においてご説明申し上げたとおり、6月30日に「茅野市Ｗｉｔｈコロナ　くらし・経済対策」を決定し、市民の命や暮らしを守るため、感染拡大防止対策を講じつつ、企業・事業者の経営を守るための取組を多方面から展開していくこととしています。
本日の臨時議会においてご審議いただく補正予算も、この「茅野市Ｗｉｔｈコロナ　くらし・経済対策」に沿った第3弾の対策を予算計上したものでございます。

　私たちは、これまで市民の皆さん、事業者、医療関係者などみんなで力を合わせて一つ目の山を乗り越えてきました。
そして、これから私たちは、感染の拡大を防ぎつつ、経済活動を展開していくという、二つ目の大きな山に向かって進んで行くことになります。
夏の観光シーズンを前にして、7月17日には、道の駅「ビーナスライン蓼科湖」がオープンし、連日多くの方が湖畔の散策を楽しんだり、地元産の野菜を購入する姿が見られるなど、市内の観光地も、賑わいを徐々に取り戻しつつあります。
今後、夏休みを迎え、県内外からの更なる誘客が見込まれる時期になります。これまでの取組が無駄にならないよう、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と、地域経済の活性化に向け、全員で力を合わせて頑張っていかなければならないと思っているところでございます。

　さて、本日ご提案申し上げます案件は、予算案件1件でございます。

　議案第40号は、令和2年度茅野市一般会計補正予算第4号についてであります。

歳出の主なものといたしましては、

地域創生推進事業費では、来年度以降に予定していた地域通貨の制度設計策定を前倒しすることに伴う、地域ポイント制実施計画策定委託料の補正増と、遠隔医療の実現に向けた実証実験に使用する遠隔医療機器購入費の補正増、

地域公共交通事業費では、ＡＩオンデマンドを取り入れた新しい地域公共交通構築に向けた実証実験を行うためのシステム構築委託料の補正増、

区・自治会関係事業費では、区・自治会が行う感染症対策に対する費用の一部を補助する新しい活動様式支援事業補助金の補正増、

健康管理センター運営事業費では、健康管理センターにおける感染症予防のための窓口カウンターの改修工事費と、健診や予防接種などの順番をお知らせする呼出システム導入に向けた備品購入費の補正増、

小中学校情報教育推進費では、文部科学省が進めるＧＩＧＡスクールの推進に向けたＧＩＧＡスクールサポーターの雇用に関する報酬や、児童、生徒用の学習用端末、家庭用通信機器などの購入費の補正増、

その他に、市民相談事業費、消費生活支援事業費、保育所運営費、私立保育園等支援事業費、新型コロナウイルス感染症対策支援事業費、観光誘客宣伝事業費、小中学校教育事務費、学童クラブ運営事業費、図書館資料購入事業費の補正増により、歳入歳出予算のそれぞれに3億7,766万5千円を追加して、歳入歳出予算の総額を323億2,923万円とするものであります。

詳細につきましては、後ほど部長からご説明申し上げます。

　以上1件につきまして、よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げ、開会の挨拶といたします。　
 

茅野市長　今井　敦