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茅野市内の保育園・認定こども園で行われている一日保育士体験。
我が子をはじめ、クラスの子どもたちと一緒に一日を過ごします。保育園での日常生活に触れ、家とは違った子どもの姿を見ることができる機会、家庭の育児を見直す機会、保育士との信頼関係を深める機会となっています。
平成23年度の体験開始以降、令和5年度までに約1万5千人が体験した一日保育士体験の魅力や体験者の声などをご紹介します。
茅野市では、「たくましく、やさしい、夢のある子ども」に育つことを願い「茅野市こども・家庭応援計画(どんぐりプラン)」を策定しました。このどんぐりプランでは、「まなぶ」「支える」「つなぐ・つどう」「ひとそだち」の4つの施策目標を掲げ、「ひとそだち」を具体的に推進するための取組の1つとして、平成23年度から「一日保育士体験事業」がスタートしました。
一日保育士体験では、保護者が一日保育園で我が子のクラスに入り、保育士のお手伝いをしながら、我が子や他の子と触れ合うことで、子育ての楽しさや、家庭の育児を見直すきっかけとなり、「親」としての役割や責任、喜びを実感する機会を提供しています。また、保護者と保育士が、ともに子どもの育ちを理解し、相互の信頼関係が深まり、子どもにとって、より豊かな生育環境を築くことを目的としています。
平成23年度からこの体験がスタートして、令和5年度までに延べ15,456人が体験をしてきました。平成27年度からは、小学校の先生にも夏休み期間などに参加してもらい、保育園への理解を深め、子どもたちが安心して小学校生活を送るきっかけになることを目指しています。
一日保育士体験は、登園から降園まで、子どもたちと一日を過ごします。
朝の会の後は、体操や運動遊び、季節や天候に応じた「遊び」を子どもたちと一緒になって楽しみます。取材に訪れた日は、色水遊びとプールが行われていました。お父さん先生は子どもたちから大人気で、周りにはたくさんの子どもたちが集まってきます。一緒に遊んでいる子どもたちの顔には笑顔があふれます。
お昼寝の前には、お父さん・お母さんが選んだ絵本の読み聞かせを行います。どんな絵本を読んでもらえるのか、子どもたちにとって楽しみな時間の一つです。
お昼寝をしている時間に、園長と懇談を行います。ここでは、お子さんの普段の保育園の様子を詳しく聞いたり、悩みを相談できる時間となっています。
「お迎えなどでお会いすることができない保護者の方ともゆっくりお話ができ、子どもたちの成長についての意見交換ができる貴重な機会になるので、ぜひ体験に来てください。」と園長が話していました。
一日保育士体験のプログラム [その他のファイル/3.19MB]
沼田 和彰さん(豊平保育園 保護者)
子どもの1日の生活を見てみたいなと思い、一日保育士体験に参加しました。これまで7回ほど参加しています。
この体験は、家では見られない友達と遊んでいる子どもの姿を見ることができたり、先生の子どもに対する接し方を見て学ぶことができるとてもいい時間だと思います。保育室や園庭、先生と子どもの関わりを見ることができたり、実際に給食を食べたり、先生とたくさん話すことができるので、保育園に対する安心感が増します。
一度気軽に参加してもらえれば、子どもや保育園に対する印象が変わったり、理解が深まる機会になると思います。
両角 勢津子さん(豊平保育園 園長)
一日保育士体験を通じて、参観日とは違った子どもたちの保育園でのリアルな日常生活を知ってほしいです。子どもたちは、自分で遊びを考えている姿、家で見せないような頑張る姿などたくさんの姿を見せてくれます。
保護者の方との懇談の時間は、普段以上に詳しく、お子さんの園での様子、頑張っている姿などをしっかりとお伝えできる機会となっています。これからもこの時間は大切にしていきたいと思っています。
この体験に参加して、楽しかったと言ってくださる保護者の方がたくさんいるので、お気軽に参加して子どもと一緒に楽しんでもらえたらと思います。
高山 綾子さん(豊平小学校 教員)
小学校教員の立場から一日保育士体験に参加しました。
この体験に参加して、遊びやご飯を食べる時に子ども同士が声を掛け合って、自分たちで考えて行動している姿を見ることができ、大変有意義な時間になりました。また、体験で触れ合った子どもたちが、豊平小学校へ入学してきた時にどんな姿を見せてくれるのか楽しみです。
保育園の先生が大切にしている子どもたちの「やりたい」を叶えるための環境を準備する姿勢を見習って、小学校の教育でも積極的に取り入れていきたいと思いました。
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広報紙「広報ちの」令和6年9月号 特集「-保育園・認定こども園の日常生活に触れる- 茅野市一日保育士体験」 [その他のファイル/5.11MB]