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世界かんがい施設遺産「滝之湯堰・大河原堰」の紹介

世界かんがい施設遺産登録

 茅野市の滝之湯堰(たきのゆせぎ)と大河原堰(おおかわらせぎ)が、世界かんがい施設遺産として登録され、県内では初の登録となりました。

 世界かんがい施設遺産とは、かんがいの歴史・発展を明らかにし、理解醸成を図るとともに、かんがい施設の適切な保全を行う、歴史的なかんがい施設を国際かんがい排水委員会(ICID)が認定・登録する制度です。登録により、かんがい施設の持続的な活用・保全方法の蓄積、研究者・一般市民への教育機会の提供、かんがい施設の維持管理に関する意識向上に役立つとともに、かんがい施設を核とした地域づくりに活用されることが期待されています。

 

施設の概要・特徴

 滝之湯堰(たきのゆせぎ)と大河原堰(おおかわらせぎ)は、今から200年以上前に、坂本養川(さかもとようせん)の高島藩(たかしまはん)への請願によって開削された農業用水路であり、現在もかんがい用として利用されています。

 坂本養川が調査をもとに計画した「繰越堰(くりこしせぎ)」という水利体系は、東西に流れる複数の河川を用水路で結び、比較的水量が多い北部の河川の余水を順々に南部の水不足地帯へ送ることにより、その沿線の農地をかんがいするもので、当時では画期的な構想でした。

 両堰は、ともに蓼科山(たてしなやま)から流れ出る滝ノ湯川を取水源としており、1785年に滝之湯堰10.4kmが、1792年に大河原堰12.5kmが完成しました。

 滝ノ湯川からの取水口の構造は、「芝湛(しばたたえ)」と呼ばれ、木・石などで築いた小堤防で河川を堰き止めて取水しており、全量取水ができない構造となっています。現在も受益者によって、開削当時とほぼ同じ構造で維持管理されています。

 導水部は、当時土型水路であったため、途中で漏水した水を使って営農をしていた人達にも水利用の権利が発生しました。現在でも、底張りをしない構造で改修するなど、このような権利に配慮しています。

 また、河川沿いの急斜面では、硬い岩をくりぬいて水路を造っており、通水断面を確保するための苦労がみられます。

 渓谷が深い河川横断部では、両堰とも人工の滝を築いています。河岸の急峻な崖を一気に落下させ、減勢・集水した水を水路橋で渡し、河川からの補給水と併せて下流へ導水しています。自然の地形を活かしたユニークな構造となっています。

 その他図面、写真、年表等につきましては、ページ下部の添付資料をダウンロードしていただくことによりご覧になれます。

大河原堰の取水口

岩をくりぬいた水路人工の滝(乙女滝)

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