常設展示室C 八ヶ岳山麓の縄文文化
八ヶ岳山麓に花開いた縄文文化 「こだわりすぎの土器造形」を堪能できます。
常設展示室Cでは、市内の遺跡から出土した多数の土器や石器を展示しています。
特に決まった見学順路はありません。単体のケースには、造形的に優れた土器を展示し、全周囲からじっくりとご覧いただけるようにしています。
単体ケースに展示している土器。どちらの写真も下ノ原遺跡から出土した土器です。立体的な装飾も、土器表面に刻まれた文様も、どちらも「こだわりすぎ!」と思える土器が単体ケースで全周囲からご覧いただけます。
向かって左側の壁には、八ヶ岳山麓の縄文土器の移り変わりがわかる展示をご覧いただけます。(縄文時代の年代や暮らしぶりについて知りたい方は、縄文プロジェクト専用ページをご覧ください。)
出始めのころの土器のシンプルさ、八ヶ岳山麓が文化の中心地のひとつとなっていたころの「こだわりすぎの土器造形」、そして仮面の女神のころのモダンとも言えるシンプルで均整のとれた土器など、対比的にご覧いただけます。
単体のケースに入らない大きい土器もご覧いただけるよう、また土器表面の風合いを生で間近にご覧いただけるよう、露出展示もしています。ただし、絶対に触らないでご覧ください。
2体の国宝「土偶」と違って、壊れてしまっている土偶も展示しています(左)。国宝「土偶」並みに大きかったであろうという土偶の破片もあれば、そもそも小さい土偶もあります。
遠方から八ヶ岳山麓まではるばる持ち運ばれてきた土器もあります(右)。土器はこの八ヶ岳山麓の地でも地産地消していたわけですから、何のために壊れやすく運ぶのが面倒な土器を持ち運んできたのでしょうか。嫁入り道具、という考え方は昔からありますが、ひょっとしたら「俺は海に近いところの連中と知り合いなんだぜ。どうだすごいだろう?」という自慢のためのものだったかも。
周囲に対する威信としての役割を果たしていたと思われるものとして、より確実なのはヒスイやコハクといった装飾品です。市内から出土したヒスイやコハクもまとめて展示しています。
下からライトを当ててみたら、こんなふうに見えます(この写真のようには展示していません)。
一部に、縄文時代の食べ物も展示しています。このなかには、「クッキー状炭化物」と紹介している、縄文時代の加工食品もあります。分析の結果、ドングリなどの堅果類を粉にしたものであることがわかりました。
不思議なのは、わざわざ加工したものを食べずに残してしまった(そして炭になってしまっている)ことです。祭壇、神棚のようなところにお供えした、というのが多くの研究者を納得させる仮説ですが、調理が下手な縄文人もいて、「ああっ!また焦がしちゃった!おかあさんに怒られちゃう そうだ、お隣さん空き家だからそこに捨てちゃえ!」というような、ちょっと微笑ましいこともあったかもしれませんね。
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関連情報
- 展示資料の撮影について
- 常設展示室A 尖石遺跡と宮坂英弌
- 常設展示室B 国宝
- 尖石縄文考古館所蔵資料の貸出情報
- 運動公園野球場のところにあった遺跡 下ノ原遺跡
- グリーンライン上にあった遺跡 梨ノ木遺跡
- 金沢工業団地のところにあった遺跡 阿久尻遺跡
地図情報
茅野市尖石縄文考古館
391-0213
長野県茅野市豊平4734-132
電話 0266-76-2270