最新の受賞者
第26回受賞者:西田 巌氏(にしだ いわお、佐賀県)
尖石縄文文化賞条例にもとづく同賞選考委員会は、今井敦茅野市長の諮問を受け、8月27日に開催された。今回、選考・審査の対象となったのは、個人計7人である。
候補者の内訳は、40歳代から70歳代におよび、研究歴や所属機関は多彩で、「受賞の対象となる研究及び活動の業績」についても、宮坂英弌が目指した縄文文化のすぐれた研究と活動を示すものであった。このことは、本賞が広く学界等一般に周知された結果をよく示すものである。
こうしたすぐれた候補者を得て、選考委員会において慎重な審議を行い、第26回尖石縄文文化賞の受賞者として、西田 巌 氏(佐賀県)を全会一致で推薦することに決定した。
同氏は、巨勢川調整池建設に伴う事前調査で発見された縄文時代早期の佐賀県東名貝塚の発掘調査を担当し、出土した多種多様な遺構と遺物の地道な研究から、縄文文化の生活実態の解明に取り組んだ。その取り組みは、考古学研究者だけでなく、自然科学研究者や編みかご作家まで含む共同研究チームを組織して行ない、これまでの縄文文化に対する歴史認識を大きく塗りかえる成果をあげた。
また、この東名貝塚の保存活動にも取り組み、第3貝塚から第6貝塚の現状保存と国史跡指定も実現した。そしてその活用にも積極的に取り組んでいる。
こうした氏の活動は、地道な調査と研究による縄文文化の実態解明、またその遺跡の保存と活用にも同時に取り組んだものとして高く評価できる業績であり、尖石遺跡の調査や竪穴住居の復元、さらに尖石考古館での展示を通じて、縄文文化の解明とその魅力の教育普及に取り組んだ宮坂英弌の業績を顕彰する宮坂英弌記念尖石縄文文化賞の趣旨に沿うものであり、まことにふさわしい受賞者である。
令和7年(2025年)8月27日
宮坂英弌記念尖石縄文文化賞選考委員会
委 員 長 会 田 進
第26回受賞者西田巌氏
授賞式
第26回尖石縄文文化賞授賞式の日程が決まりましたのでお知らせいたします。
「第26回宮坂英弌記念尖石縄文文化賞授賞式・記念講演」
日時:令和7年(2025年)11月3日(月曜日・祝日)午前10時30分~正午
場所:尖石縄文考古館ガイダンスルーム





