『諏訪史第一巻』刊行100年記念事業
『諏訪史第一巻』刊行100年を記念して、諏訪郡内7館で合同企画展を開催します。また、関連イベントも開催します。
- 企画展(2月1日から3月30日)
- ギャラリートーク(2月8日、3月9日)
- ウォーキングツアー「鳥居龍蔵の歩いた山浦」(3月9日)
- ウォーキングツアー「尖石と石の信仰」(3月23日)
『諏訪史』とは
『諏訪史』は「郡史」とも呼ばれる、諏訪地域6市町村の歴史をまとめた書籍です。その記念すべき「第一巻」は100年前の大正13(1924)年12月に発行されました(第五巻は昭和61(1986)年に発行)。
「第一巻」は縄文時代から古墳時代の考古学分野を対象として、図や写真も使いながら、諏訪市を含む郡内全体の歴史を専門的でありながら端的に記した書籍です。当時としては最高水準の地域史・郷土史の専門書でした。
『諏訪史第一巻』と「尖石遺跡」
大正9(1920)年4月に、「第一巻」編纂のため、人類学者の鳥居龍蔵が「尖石遺跡」に発掘調査に来ています。その後も編纂委員が発掘調査を行っており、その記録が「第一巻」に残されています。
『諏訪史第一巻』の「第3章 先史時代遺跡の所在地」において、当時「南大塩の遺跡」、「広見の遺跡」と呼ばれていた遺跡が「尖石遺跡」として初めて紹介されました。これを契機に、「尖石遺跡」は信州を代表する遺跡の一つとして広く知られるようになりました。
企画展
『諏訪史第1巻』刊行100年記念展
「「尖石」の誕生―鳥居龍蔵と郷土史家たちの尖石遺跡-」
- 会期:令和7(2025)年2月1日(土曜日)から3月30日(日曜日)
- 場所:尖石縄文考古館
- 内容:『諏訪史第1巻』刊行100年を記念して、諏訪郡内7館の合同企画展を開催します。尖石縄文考古館では、「尖石遺跡」の価値がどのように見いだされ、人々がどのようにそれに関わったのか、その足跡をたどります。
- 料金:通常観覧料
主な展示資料
- 保科五無斎長歌原稿(茅野市八ヶ岳総合博物館)
- 龍谷文庫考古資料
- 鳥居龍蔵調査時採集土器片(諏訪教育会)
- 小平雪人採集土器、石器
- 史料採訪日誌(諏訪教育会)
- 1号土偶レプリカ
- 栗岩英治著諏訪研究(個人蔵)
- 宮坂春三画 土偶図(個人蔵)
- 尖石の写真
- 鳥居が写した「ドルメン」の写真
- 小平雪人俳句
- 矢島数由測量図
諏訪郡内6館の展示概要
- 星ヶ塔ミュージアム矢の根や(下諏訪町)「旧石器時代観」
- 井戸尻考古館(富士見町)「縄文時代観1」
- 八ヶ岳美術館原村歴史民俗資料館(原村)「縄文時代観2・原始芸術観」
- 市立岡谷美術考古館(岡谷市)「弥生時代観」
- 諏訪市博物館(諏訪市)「古墳時代観」
- 諏訪教育博物館(諏訪市)「『諏訪史』から歴史ハンドブック」
イベント
ギャラリートーク
企画展ギャラリートークを開催します。内容は2回とも同様です。
- 開催日:令和7(2025)年2月8日(土曜日)、3月9日(日曜日)
- 開催時間:各日とも午後1時30分から午後2時
- 開催場所:尖石縄文考古館
- その他:申し込み不要
ウォーキングイベント「鳥居龍蔵の歩いた山浦」
大正9年の鳥居の踏査では、山浦一帯のさまざまな遺跡で現地踏査を行うとともに、小平雪人や田實文朗など地元の収集家のもとを訪問しています。このイベントでは、下古田から塩之目一帯の遺跡をめぐり、またそれらの遺跡から出土した資料を現地で見学します。(総行程約7キロ)
- 開催日:令和7(2025)年3月9日(日曜日)
- 開催時間:午前9時から正午頃
- 集合場所:茅野市八ヶ岳総合博物館駐車場
- 定員:10名(先着、事前申し込み)
- 解説:堀川洸太朗(茅野市文化財課職員)
- 料金:無料
- 申込期間:令和7(2025)年2月15日(土曜日)から3月2日(日曜日)
- 申込方法:尖石縄文考古館へ電話(0266-76-2270)
ウォーキングイベント「尖石と石の信仰」
鳥居が「巨石文化」の痕跡を尖石に見出したことが、のちの尖石遺跡の調査史に影響を与えています。本イベントでは「石の信仰」に着目し、尖石やその他の南大塩地区に点在する石造文化財を巡り、石と人類の歴史という観点から地域の文化財について理解を深めます。(総行程約6キロ)
- 開催日:令和7(2025)年3月23日(日曜日)
- 開催時間:午前9時から正午頃
- 集合場所:尖石縄文考古館駐車場
- 定員:10名(先着、事前申し込み)
- 解説:堀川洸太朗(茅野市文化財課職員)
- 料金:無料
- 申込期間:令和7(2025)年2月15日(土曜日)から3月2日(日曜日)
- 申込方法:尖石縄文考古館へ電話(0266-76-2270)