「機中八策®」 どならない・たたかない 非暴力コミュニケーションへの切り替えスイッチ
「機中八策®」とは、誰もが当たり前に使っている8つの行動・言葉をカード化して「ひどいおとぎばなし」「ほまれかがやきを」と、頭文字つづりで覚えやすいよう、パッケージ化したもので、千葉県の児童相談所長が考案した、どならず・たたかず、こどものやる気を引き出す非暴力コミュニケーションの具体策です。
01 あなたは、こんなとき、どうしていますか?
例えば…
学校から帰ってきて、宿題をせずにテレビを見ている時、いつも、どんな言葉(行動)で、子どもと接していますか?
ついつい、言ってしまうのは…
ついつい言ってしまう、伝わりにくい暴力的コミュニケーション(ブルーカード) [その他のファイル/134KB]
伝わりにくい暴力的コミュニケーション(暴力的行動・言動)
例
- 何やってんの!? 【ぎ】
- いつも言ってるでしょ! 【ど】
- テレビばっかり見るなって! 【ひ】
- 今日は許さないからね! 【お】
- 1週間テレビ禁止! 【ば】
- 今、何する時間?宿題はやったの? 【と】
- 何回言っても分からないなんて、バカじゃない? 【なし】
- いつもこうだといいのに…はあ~(ため息) 【い】
ブルーカード
- 【ひ】否定
- 【ど】どなる・たたく
- 【い】いやみを言う
- 【お】おどす
- 【と】問う・聞く・考えさせる
- 【ぎ】疑問形
- 【ば】バツを与える
- 【なし】なじる(人格を否定する)
暴力的な「ブルーカード」は本能的に使えるもの
誰でも、こどもから「して欲しいことを、してもらえなかった時」「して欲しくないことをされた時」反射的に、ちょっと青ざめてしまうブルーカードを、切る傾向にあります。
人間がストレスから身を守るための、本能的な反応です。
子どものやる気を引き出すのは…
子どものやる気を引き出す「オレンジカード」 [その他のファイル/112KB]
例
- 深呼吸して気持ちを切り替える 【を】
- 「テレビ消してくれる?」と、話せる状態を待ち 【ま】
- おだやかに・しずかに近づき 【が】
- 「テレビ見たいよね」 【き】
- 「でも、まずは宿題をしてほしいな」 【か】
- 「わかった?」 【や】
(子どもが「わかった」と答えたら…) - 「じゃあ、学校から帰ってきたら何する?」 【れ】
- 「その通り!わかってくれてありがとう。宿題が終わったら、テレビを見ていいよ」 【ほ】
オレンジカード
- 【ほ】ほめる・認める
- 【ま】待つ
- 【れ】練習する
- 【か】代わりにする行動を示す
- 【が】環境づくり(い・ち・お・し環境)
いつも、ちかづいて、おだやかに、しずかな - 【や】約束する
- 【き】気持ちに理解を示す
- 【を】落ち着く
非暴力的な「オレンジカード」は意識しないと使えないもの
子どもに対してはもちろん、夫婦・職場など、あらゆる場面に有効です。
相手と良い関係を保ちながら、自分の思いを伝え、相手のやる気を引き出すことができるためお互いに”ほっこりあたたかい”気持ちになれます。
無意識では、どうしても本能的な感情が先に立ってしまうため、日常生活でオレンジカードを使うには、意識するための「練習」が必要です。
まずは、か(代わりにする行動を示す)・ほ(ほめる)の一枚を切ってみてください。
子どもの表情が変わりますよ。
02 ココは絶対!
- お互いに落ち着いて話ができる(聞ける)状況を作る。
- 子どもに「してほしいことは」は簡単・具体的な言葉にする。
- か や れ ほ は使う。(か 代わりにする行動+や 約束+れ 練習+ほ ほめる)
例)「スーパーではママと一緒にカートを押してね」と、して欲しいことを伝え+「分かった?」と約束。+「練習してみよう」とカートを押せたら+「できたね!」とほめる。
03 しつけとは…「こどもが自分で考えてできることを増やす」支援
「子どもが自分で考えてできることを増やす」支援 [その他のファイル/148KB]
子どもは体も心も未発達。分からないことだらけ。でも、子どもの行動には、子どもなりの「理由」があります。
日ごろから子どもをよ~く見て、何をしようとしているか、何を考えているか観察してあげてください。
「親の自分が、ちゃんと子どもをしつけなきゃ」
「3回も言えば、わかって当然だよね」
子どもは3回言っても分からないことががほとんどです。
あせらずに、親も子どもと「一緒に成長していけばいい」という気持ちで関わりましょう。
04 ブルーカードとオレンジカード
「ブルーカード」は相手に伝わりにくいコミュニケーション
「ブルーカード」は、人間が、本能的にとってしまう行動や言動ですが、相手に伝わりにくいコミュニケーションです。
練習して、「オレンジカード」のコミュニケーションに切替えましょう。
- 【ひ】否定
- 【ど】怒鳴る・たたく
- 【い】嫌味を言う
- 【お】おどす
- 【と】問う・聞く・考えさせる
- 【ぎ】疑問形
- 【ば】罰を与える
- 【なし】なじる
「オレンジカード」は、自分の想いを伝えられるコミュニケーション
「オレンジカード」は相手と良い関係を保ちながら自分の想いを伝えられるコミュニケーションです。
スムーズに出せるようになるには、頭(行動)を切り替える練習が必要です。
- 【ほ】ほめる・認める
- 【ま】待つ
- 【れ】練習する
- 【か】代わりにする行動を示す
- 【が】環境づくり
- 【や】約束する
- 【き】気持ちに理解を示す
- 【を】落ち着く
05 オレンジカードを切られた子どもはどうなる?
たくさんほめられ、認められ、成功体験をした子は、自身・自己肯定感が高まり、自分で自分のことができる(考えることができる)人に育ちます。そして、周りの人に「オレンジカード」が使える大人に成長します。
たくさんほめられ、認められ、成功体験をした子 [その他のファイル/66KB]
- 「できた」「わかった」という成功体験
- 自分で考えてできたという満足感
- 親子関係が良好に!信頼関係が深まる
- 「またほめられたい」と良い行動が増える
- 「これでいいんだ」と自分に自信がつく
- 自分の気持ちを分かってもらえた安心感がある
より詳しくお知りになりたい方は
冊子版 [PDFファイル/4.67MB]をご覧ください。
06 相談窓口
茅野市こども・家庭総合支援拠点「育ちあいちの」
電話0266-72-2101(代表)
こども課 こども・家庭相談係 (内線615~617、619)
発達支援センター(内線618)
諏訪児童相談所
電話0266-52-0056
児童相談所虐待対応ダイヤル
電話189
児童相談所相談専用ダイヤル 電話0120-189-783
長野県児童虐待・DV24時間ホットライン
電話026-219-2413