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「全国中学生人権作文コンテスト」諏訪地域入賞作品を紹介します

令和5年度「諏訪・こども人権の集い」(原村・茅野市・富士見町)

 令和5年度12月2日に「諏訪・こども人権の集い」が開催されました。その中で、「全国中学生人権作文コンテスト」で入賞された永明中学校の土橋杏奈さん(2年)と東部中学校の宮坂陽向さん(3年)の2名による作品発表が行われました。2名の素晴らしい作品を掲載いたします。

「だれもが平等な社会を目指して」

茅野市立永明中学校 2年 土橋 杏奈

 夏休みの宿題で、人権作文を書くことになった。でも、私は「人権」という言葉を聞いても、なかなか想像がつかなかった。そこで、まずは「人権」とはどんなものなのか調べてみた。

 「人権」という考え方は、十八世紀ごろにヨーロッパで生まれた考え方で、「一人ひとりが、かけがえのない尊いものである」というものだった。けれど、その「かけがえのないー人ひとり」の中には、人種の異なる人びとや奴隷などは含まれなかった。また、戦争によって侵略された側と、侵略した側にも平等な人権はなかった。日本では、戦後日本国憲法の制定によって基本的人権が明文化された。これにより、人々が生まれながらにもっている真の人権思想が確立した。その人を見下したり、バカにしたりすることで人権侵害になるということも知った。

 ここまで調べてみて、私は、今の自分の生活の中には、どんな人権があるのだろうと考えた。

 昨年の夏ごろ、私の学校にネパールから一人のネパール人の女の子が転校してきた。最初の一週間くらいは、ろう下が通れなくなるほどの人たちが集まって、とても注目されていた。そのときは、クラスがちがってなかなか話しかけることができなかったけれど、もともと英語が好きで、外国や異文化に興味があった私は、その子と友達になりたいと強く思っていた。転校してきてから一か月ほどたったころ、だんだんとその子のまわりから人がいなくなりはじめ、その子は一人でいる時間が増えていった。私は、その子と同じクラスの私の友達に聞いてみた。

「どうして最近その子は一人でいるの?」と、そうしたら、その友達は、

「だってめんどくさいじゃん」と言った。私はその言葉を聞いて、なんだかモヤモヤした気持ちになった。やっぱり、話す言葉がちがったり、生活のしかたがちがったり、考え方がちがったりすると、普段仲よくしている友達と同じように生活していくのは、まだ難しいのかもしれない。けれど私が、そのとき思ったことは、「めんどくさいから」という思いだけでその子と距離をおくことは、自分の成長するチャンスをのがしているのと同じだということだ。国籍のちがう人と関わることができるのは、そんなに多くはないと思う。きっと難しいことや、めんどくさいなと思うこともたくさんあるけれど、それ以上に、その子を通して、異文化にふれたり、言語の勉強にもなると思う。

 自分がもし、その子と同じ立場だったら、言葉も通じない、生活習慣もちがう、みんなとのコミュニケーションもとれない。そうなったら私は、とても辛くて、怖くて、学校にいるのも無理だと思う。

 だから私は、その子と仲よくしたいと思った。私は毎日一つずつその子に質問を考えとにかく話す機会をつくった。「好きな色は?」「好きな食べ物は?」と、とても簡単な質問だったけれど、自分で英語を調べて話しかけた。一日一つずつだったけれど、一回一回と回数を重ねていくうちにその子も心をひらいてくれて、その子からも話しかけてくれるようになった。

 クラス替えで同じクラスになった今では、おたがいに、私は日本語その子は英語を教えあい、いつでもいっしょにいるほどの大親友になった。

 最初は、やっぱり言葉が通じない、どう接したらいいのか分からないという不安もあって正直怖かったけれど、勇気をもって一歩ふみだし、少しずつでも努力を積み重ねたことで、今は、言葉や文化のちがいなど、まったく壁を感じなくなった。

 人種がちがう人も、障がいのある人もない人も、女性も、男性も、色眼鏡で見るのではなく、その人自身を受け入れ一人ひとりの人種を尊重していきたい。

過ごしやすい世の中へ

茅野市立東部中学校 3年 宮坂 陽向

 私は、人権学習を通して人それぞれの考えを尊重できることは大切だと思いました。

 私は人とのコミュニケーションが得意ではありません。中学校にあがったときは、自分から話しかけることができず、ペア学習が一番苦手でした。班学習でも一人でやったりしていました。頭ではわかっていても、行動に移すことができない自分を許すことができませんでした。誰を信じるべきか、頼ればいいのかわかりませんでした。自分の気持ちなどの本心に絶対に触れられたくありませんでした。クラスの人とも距離ができてしまいクラスへ行くのが嫌でした。

 でも、私は先生の言葉にとても救われました。「無理して行かなくてもいいよ。」この言葉のおかげで少しだけクラスへ行きやすくなりました。そしてクラス替えをして先生やクラスメイトが変わり新しい環境へ慣れようとしていました。でも教室に長い時間いるのは私にとって大変なことでした。「サポートルームの見学をしてみない」この提案が私の学校生活を過ごしやすいものへ変えてくれました。教室へ行きやすくなったという訳ではないけど、学校の中で居心地がいい場所ができたということは私にとって大きい変化でした。なので、この提案をしてくださった先生、受け入れてくれた両親にはとても感謝しています。

 現在、私がクラスにいれるのは友達のおかげです。私が教室に行けない理由を聞かずに接してくれるのがとても嬉しいです。だからこそ私が何か力になれるようにしたいです。

 私は自分の気持ちを優先してくれたから、今の学校生活があると思っています。人それぞれ悩みはあると思います。相談すれば楽になるといわれたことはあるけど、内容によっては相談しにくいこともあると思います。でも、話せる人がいるなら相談することをすすめます。自分にはなかった考えで解決することがあると思います。でも、相手は必ず親や先生、友達でないといけないとは思いません。会ったことがない人でもいいと思います。インターネットにはもしかしたら同じような悩みを抱えている人がいるかもしれません。自分なりに考えをまとめてから、別の人に相談するなど方法はたくさんあると思います。

 でも、相談しても全てが解決することはないと思います。言われていやだったこと、トラウマになるようなことは一生心の傷として残り続けているからです。このようなことが原因となり病気になってしまう人、命を落としてしまう人がいるのも事実です。

 だからこそ、個人の考え、気持ちを尊重することは大切になってくるのです。しかし、誰でも苦手な人はいると思います。でも全員に好かれるより、自分を大切にしてくれる人を大切にする方が自分が楽で楽しくいれます。

 私は今までの経験、助けてもらったことを生かして、誰かの救いになれるようにしたいです。これからも人との関わりは大切になるので苦手だからと理由をつけずに向き合っていきたいです。特に、個人の考えを尊重できるようにしていきたいです。

みなさんの声を聞かせてください

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